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  • 執筆者の写真a.t.

【第一章】生誕祭(3)

配給の列に並ぶ眼鏡の少年『B』は違和感を感じ始めていた。


元々決して早くは無かったものの、列の進みが先程よりも遅く感じる。


「列、進まないね…」


「うん」


一緒に並んでいたCも違和感に気づいているようだった。


「ちょっと何かあったのか見てくるよ!」


Bは列をぬけて最前へと走り出した。


「あ、待ってよB!あたしも行くよお!」


Cの声を背にしても振り向かず、走り出した足も止めない。

何か嫌な予感がしたのだ。

少し走った辺りで俺は列の最前に人集りが出来ているのを確認する。


「なんだこれ…!」


その人集りの足元の隙間を縫うようにするりと抜け内部に入り込む。

するとそこでBの目に映り込んで来たのは、今まさに乱暴そうな男が配給の少女に対して手を上げようとしている光景だった。

後から駆けてきたCもまた、足元を縫って無理矢理中に入って来た。


「おい!なにしてんだよ!!」


Bが手を伸ばし男の腕を掴む。


「くそっ、なんだテメェ邪魔すんな」


その男は一瞬驚いた様子を見せたものの、すぐにBの制止を振り切って配給の少女へと再び手を伸ばす。

男の手が配給の少女の長髪を掴んだ。


「痛っ…!痛い!やめて、触らないで!」


「放せよ!嫌がってるじゃないか!」

「そうだよ!女の子に手をあげるなんてサイテー!」


BとCが男を少女から無理矢理引き剥がす。


「ッ…!邪魔すんな、離せガキ共!俺はこの嬢ちゃんに教育を施してやってんだよ!」


「何が教育だ!この暴力ヤロー!」


「くそッ、鬱陶しい!すばしっこいガキ共だ!」


小さいながらも勇猛果敢に飛びかかるBとCに周りの大人達が翻弄されている。


「B!C!なんだこれ大丈夫かよ!」


そこで別の列に並んでいたA、D、Eの3人もこちらの列の異変に気づき、いつの間にか駆けつけて来た。元からごったがいしていた配給地点で異変に気づけたのは生憎あいにくこの5人だけのようだ。


「ガキがゾロゾロと…って!」


ハッとした表情で相手のリーダー格の男がAに向かって指を指している。


「てめえ、てめぇら!そこの金髪坊主覚えてるぜ!よく見りゃこの間のクソガキグループじゃねえか…!またぶん殴られてえのかッ!」


「ハッ、返り討ちにあってたくせによく言うね」


言われるまで気付かなかったが、そう言えば以前喧嘩になった奴もこんな顔だった気がする。

あの時は明らかな人数不利を覆す程の連携と、Bの操る『拳銃(アレ)』もとい『スラップピストル』で返り討ちにした。

Aの作ったこのグループは子供ながらにメンバー全員が喧嘩慣れしている。その強さは大人相手にすら引けを取らず、更に戦いの際の愚直かつ容赦のない戦法により、俺たちの存在を知る者もこの区画では少なくない。

Aが挑発的な笑みを浮かべて煽ると、男は額に青筋が立つほどこちらを睨(ね)めつけた。

周囲を取り囲んでいる男たちは、以前散々にやられた嫌な記憶を呼び起こされたようで身じろいでおり、怖気付いた連中に対しリーダーの男が舌打ちをしている。


「今回はあの時のようにはいかねぇぞ。ぶち殺してその辺に埋めてやるよ…!」


鬼気迫る表情の男が腕まくりをしながら、近づいてくる。全員が本格的に臨戦態勢を取り、俺も装備してきた『スラップピストル』に手をかけた。


パァン!!


次の瞬間、高らかに銃声が鳴り響いた。

それは俺の握る『スラップピストル』から発された音ではなく、周りを囲む男達より更に外からの音だった。

驚いた周囲の男たちが、その銃声のなった方向を中心に掃けていき、道が出来る。

銃声を上げた人物はまだ硝煙立つ拳銃を片手に男たちに言い放った。


「これは一体何の集まりかしら」


見るとそこには亜空対策機関の制服に身を包んだ高圧的な態度の女性がいた。

その女性隊員は、男たちが二手に別れて出来た道の真ん中をツカツカと靴音を鳴らしながら歩いてくる。


「勘づかれたか…機関の連中相手じゃ分が悪いな…」


男が舌打ちをしそうになるのを堪こらえ、近づいてくる隊員に聞こえない声量で呟いた。

遂に俺たちの前まで辿り着いた女性隊員に、男は人が変わったように作り笑いを浮かべて言った。


「いやあ。このガキ共がいちゃもんつけてきたからちっとばかし注意していただけですよ、隊員さん」


その男を女性隊員は表情一つ変えず、静観している。女性隊員の冷徹な視線は男を見下しているようにも感じられた。


「なっ…!?俺らが悪いみたいな言い方っ」


男の発言に反発しようとAが口を開く。すると女性隊員の冷たい瞳の矛先が次はAへと向き、その視線に圧されてAも黙ってしまった。

少しの間沈黙が続き、男の笑顔が段々と引きつっていく。そして苦しくなったのか男は、堪らず周囲の男たちに紛れようと後ずさった。


「そ、そんじゃ俺らはこの辺で…お前らも隊員さん達に迷惑をかけるじゃないぞー?」


男は周りの男に目配すると、それらを連れて少しづつ離れていく。


「そして隊員殿、いつもお仕事ご苦労様です!我々第四区画のクズ共は貴女方のおかげで生きていけています!」


そう付け足すと、男たちは足早にその場を去っていった。

心にもないだろう言葉を並べ立てた男達には見向きせず、女性隊員は配給を渡していた少女の隊員に歩みよった。


「怪我してない?私の可愛いレミカ。一体何があったのかしら」


「何もないわ、平気よママ。この野蛮な人達が『勝手に』醜く争いを始めただけ」


「なっ…!」


どうやら彼女の母親である女性隊員に対し、いかにもプライドの高そうな少女は、先程のいざこざはあくまで自分には関係ない所での事だと涼しい顔をして言い張っていた。

俺の隣に控えていたCが一歩踏み出す。


「あなたがあいつらに絡まれてるのをBが助けてくれたんでしょうが!」


その態度に憤るCにも、少女は毅然とした態度で言い返す。


「助ける?なんの事かしら?そこの小汚い『浮浪者』の様な男に助けてもらう程落ちぶれた覚えはないわね」


「っ、この恩知らず…!謝りなさいよっ!」


遂にCが、シラを切り続ける高慢な少女の腕を掴んだ。


「いや!汚い手で触らないで!」


「…っ!レミカちゃんに触んなよっ、汚ねえな!!」


ドンッ!


「痛…っ!」


するとそこで、取り巻きの少女の一人が前に出てきて、Cを突き飛ばした。バランスを崩したCはそのまま尻もちを付いてしまう。


「おい!いくら何でも叩くのは!」


取り巻きの少女たちの方へ半歩踏み出したAの前に、静観していた母親の隊員が遮るように立ちはだかった。


「ど、どけよ…」


その隊員は先程までと同様に蔑むような目つきのまま、口を開く。


「…はぁ。あなた達が生きていられるのは一体誰のおかげだと思っているのかしら」


「何、言って…」


隊員はまだ子供であるAを見下ろし、淡々と続ける。


「身よりもない。能力も使えない。なんの取り柄もない。ただ生きているだけで、何も生まない貴方達の様な第四の『動物共』に『餌』を与えてあげているのは一体誰?」


「…そんな言い方っ!」


それを聞いたAは強く握った拳を震わせ、もう既に我慢の限界といった様子で、今にも殴りかかってしまいそうだ。俺はAの肩を掴み、諭すような口調で慎重に言葉を紡ぐ。


「やめようA。昨日だって俺たちは機関の隊員に助けて貰ってるんだ。敵に回してもいい事ないだろ?」


「…クソっ!」


これから先第四区画ここにいる限り、俺たちは彼女ら機関に助けて貰うことになるのは確かだ。Aが行き場を無くした怒りをぶつけるように地面を蹴り、やがて跡がつくほど強く握っていた拳の力を抜いた。


「配給の袋を、人数分下さい」


「…ふんっ」


ーーーひゅっ。


俺がそう言うと、少女達は配給袋5つ分をこちらに放り投げて寄越した。地面に落下したそれらを、俺は無言で拾い上げる。

俺は倒れ込んでいたCを起こし、俯いたままのAとD、Eを連れてその場から離れる為に歩き出した。


クスクスクス。


配給袋を受け取った俺たちの背後から、せせら笑うような声が聞こえる。


「ねぇ、今あの娘に触られたところ汚れてないかしら?」


「うん。汚れてないよレミカちゃん」


「はぁ、良かったぁ」


「…ていうかレミカちゃんに触ってきた奴、汚すぎじゃね?」


「ぷっ…あは。すすだらけでネズミみたいな娘(こ)だったね」


「まるで動く生ゴミよ。そのうちアイツらもゴミ同様、第四区画のどこかで動かなくなって発見されて、焼却処分でもされて…」


「うっわ、レミカちゃんこわーい!」


「こーらレミカ。ダメでしょ、そんな悪いこと言っちゃ」


「はーい。ママ」


嫌でも耳に届くそんなやり取りが、冷静を保とうとする俺の心を何度も逆撫でする。

感情の昂りを抑えるのに必死だった俺が、ふと隣を見ると俯いて歩くCが微かに肩を震わせていた。


「あたし汚いかな…」


…ぐすっ。


いつもは快活な少女の啜り泣く声が、メンバー全員の耳にか細く届く。


「ううん、そんなことないよ」


DはCの肩を抱きよせ、彼女自身も辛そうな面持ちのまま励ましの言葉をかけていた。


そして俺たちは、配給の列が見えなくなるまで身を寄せあって歩き続けた。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


旧《江東区:青海》


現《第二区画:亜空対策機関


第一支部『ピースオブジェクト』》


第二区画の旧青海エリアにそびえ立つ、白を基調とした巨大な建造物。

亜空対策機関第一支部に所属する多数の隊員が待機しているこの建物、通称『ピースオブジェクト』の一室に、『俺』は隊のメンバーを招集させていた。


「もー!レッサさん!私物を散らかさないで下さいってあれだけ言っているじゃないですか!」


ここは作戦準備室。

隊がそれぞれ一つ持っている専用の一室だ。部屋には1列3座席の横長の机が階段状に2列設置されており、正面には作戦概要を表示する為のディスプレイ、後方には広めの自由スペースが存在する。

その作戦準備室で、今日も隊員の少女『ホマリ』が数個上の先輩隊員『レッサ』を叱りつけていた。


「いやぁ、すまんすまん!待機中暇でさー、本とかゲームとか持ち込んでたら日に日に溢れてきちゃって」


「せめて都度持ち帰るなりなんなりしてくださいよ、全くもう」


部屋の後方でぷりぷりと怒る彼女の手には、散らかっていた私物を収めた段ボールが抱えられている。

そんな彼女たちを傍目に、1列目の席に座り湯のみに入れたお茶を啜っていた隊員『イスイ』が口を開く。


「ホマリはしっかり者で、なんだかお母さんのようですね」


「へ?しっかり者?そ、そうかなぁ〜」


身じろぎして照れるホマリに、窓際の席で頬杖をついていた少年『プルト』がニヤリと笑みを浮かべて言う。


「フッ、遠回しに老けて見えると言っているのではないか?」


「えっ、イスイちゃん!?そうだったの!?」


「いえ、私はそんなことは全く…」


表情がコロコロ変わるホマリと対象的に基本無表情のイスイは感情が読み取りにくい。

同じ部隊での付き合いの内、彼女の言葉の真意は大体分かるようになってきて、今のは普通にホマリを褒めただけだったように思える。

が、ホマリの方は純粋そのものなので、それをいい事に面白がったプルトが今日もちょっかいを入れる。


「表情ひとつ変えん。うむ、これは本当に思っていることを隠す為の、所謂ポーカーフェイスというやつで…」


「うわあん。イスイちゃんどっちなのぉ!」


「プルト隊員、からかうのもその辺にしとけー?ホマリが人間不信になっちまうぞー」


段々と騒がしくなってきた室内の前方、ディスプレイの前に立つ『俺』は、ぼんやりと昨日の夜の一件を思い出していた。


二人の少年少女を救出したのも束の間、新たに現れた子供たちに、まだ生きていた亜空堕が向かって行ったあの場面。

誰もが間に合わないと思った時。


『ズドォォォン!!!』


凄まじい発射音と共に、何かが亜空堕に向かって突き進み衝突した。

亜空堕の息の根を止める程ではなかったものの、それでもその巨体を仰け反らせる程の高威力。


「これなら間に合いますッ!」


一瞬の隙が生じたお陰でイスイの時空能力の氷の槍の発動が間に合い、今度こそ亜空堕は消滅した。


「何だっだんだ…今の衝撃はよ…」


柄にもなく冷静な面持ちで息を飲むレッサ。俺は襲われた子供の内の一人である少年の手に何かが握られているのを確認する。

俺たちはその場にへたり混んでしまった3人の子供たちに駆け寄った。


「それは…時空力を装填する…銃か何かか?プルト、お前知ってるか?」


「少年、俺に見せてくれ」


メガネの少年は没収されると考えたようで、握っているソレをすぐさま後ろ手に隠す。しかし、気まずそうに少し考えた後、機関に怪しまれた方が厄介だという結論に至ったのか、素直にプルトに手渡した。


「ふむ…」


こういう品に詳しいプルトはしばらく真剣な面持ちでその銃を眺めた後、


「おもちゃだな、これ」


と言って表情を和らげた。


「確かに時空力を装填して発射するブツのようだが、あんな威力は出せはしないだろう」


パンパン!


「って痛い!プルトさんっ、私に試し撃ちするのやめてください!」


プルトはその銃を適当に数発撃って見せた。

成程、確かに威力は低そうだ。プルトも時空力のコントロールに関してはまだ未熟と言えるが、それでも能力者だ。彼でこの程度なら、この少年が本気で使ってもビンタした程度の威力が限界だろう。

俺から見ても他に特筆するべき所も無さそうだった。発射の度に銃口がライトの様に光るせいで、少し眩しいぐらいか。

というかスルーしてたけど、威力が低いとは言えホマリに撃つのは止めてあげて…


パンパンパンパン!


「良い玩具じゃないか。少年、これくれよ」


「痛いですー!しかも眩しい!やめてください!助けてイスイちゃぁぁん!」


遊んでいるプルトとホマリを尻目にそれでは先程の爆発はなんだったのかと首を捻るが、結局答えは出ない。


「まあ、これが仮に武器の類であったとしても非能力者の彼が、あれ程の衝撃を有する時空力を送り出したとは考えにくい」


未だ銃を訝しんで見つめていた俺に、プルトが釘を刺すようにそう付け足した。

最もな意見だった。プルトの言う通り、あんな高効率の一撃を少年が出せるとは思えなかった。


「ほら返してやる。あまり撃ちすぎると君のような非能力者は『時空力欠乏』を起こす危険性があるから注意しろ。あと玩具とは言え少しは痛いから友達に撃って遊ぶのは止めておくべきだな」


「は、はい…」


プルトが少年に向けて銃を放り、少年もそれをキャッチして受け取った。


「いやなんか彼若干引いてません…?というかさっき正に私に向けて撃ってた人の言葉とは、とても思えないんですけど?!」


目尻にうっすら涙が浮かぶホマリがプルトの発言の矛盾を勢いよく指摘する。


「フッ、少年が引いているのはお前が撃たれている最中、だんだん恍惚とした表情に変わっていったからだろう」


「ホマリお前…」


「ちょっ、レッサ副隊長まで!?そんな表情してませんから!そういう趣味は私にはないですからぁ!」


今のやり取りでホマリと子供たちの距離が微妙に離れて行ったような気がするが、きっと気のせいだろう。

いや、気のせいじゃ無かったらちょっと不憫過ぎるのだが…


「それにこういうのは見て覚えた方が早いだろう。あくまで実践して見せただけだ」


「ちょっと楽しんでませんでしたっけ?絶対好奇心を満たそうとしてただけですよこの人!」


確かにプルトが「ほーれほーれ」と嘲笑しながら撃っていた姿が容易に思い出された…

しばらくプルトのホマリいじりが続き、子供たちの緊張も少しづつほぐれていったようで結果オーライと言った感じだった。

そんなこんなで、大した怪我はしていなかった少年たちは解放され、自分たちの住処に帰って行った。


と、『俺』が昨日の記憶を頼りに、少年たちから聞いた情報を映したディスプレイの前で唸っていると、副隊長であるレッサが肩に手をかけていつもの調子で絡んでくる。


「辛気臭ぇ顔してんなぁ『隊長』。昨日の事はどんだけ考えても結局分からず終いだったろう?」


「いや、そりゃそうなんだけどさ…」


「…昨日任務帰りに言ってた違和感の事か?」


こんな奴だが副隊長の座に就いている女だ。

一件ただのちゃらんぽらんの様に見えるレッサも俺の考えていた事に辿り着いたようだ。

そう、あの亜空堕…『あの個体』だけは何か違和感を感じるのだ。


「一体目の亜空堕がおかしな動きを見せていた。二体目の亜空堕は…なんだろうな、こう…うまく説明出来ないんだが、『普通』の動きをしていたような気がしたんだよなぁ…」


「亜空堕に普通もクソもねーだろ」


「うーん…」


それに違和感はそこだけじゃない。

亜空堕は空間時空力が0以下になると発生する…だから唐突な発生自体、何も不思議なことでは無いのだが…

それにしてもあんなに都合よく、まるで一体目に加勢するかの如く二体目が現れるなんて事があるのだろうか。


そして、今回のこの件と、最近耳にした『開く者』についての話。何か繋がりがあるのようにも思える…


時代を創る者たち。

とある『組織』の話と。


「ま、亜空堕って存在自体なんなのかよく分かってねえし、偶然ってのもいつ起きるか分からねぇもんだ。所謂、『神のみぞ知る』って奴だな!」


「『神のみぞ知る』か…」


もし。


もし神様の様な、

万物の創造主が居るとしたら。

一体亜空堕という存在は、


何のために産み落とされているのだろうか。






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