「天騎(アマキ)!メタリム!」
「三人ともご苦労。無事のようだな」
「ういッスー!」
双角を生やした白馬『塞翁(サイオー)号』にまたがり颯爽と現れた無線の声の主、『天騎(アマキ)』はその長い銀髪を払い、その場にへたれ込んでしまった林檎青(リンゴセイ)の前に仁王立つ。
車窓から半身を乗り出して手を振る少女『メタリム』も、自身の駆る装甲車を三人の近くに停車させた。
「うわぁぁぁん!じぬかと思っだぁぁぁ!」
「お、おい、くっつくな…!離れろ林檎青!」
塞翁号から降りた天騎の、腰あたりに林檎青がしがみついている。
「あははー。『ごっせ』ちゃん鼻水垂れてるッスー」
「『ごっせ』ちゃんいうなぁ〜っ…!」
メタリムが少しからかってみせると、林檎青は鼻をすすりながらそれに辛うじて反論した。
開発支部所属の彼女の頭に巻いてあるバンダナにはまだ乾ききっていないペンキが付着している。街での亜空堕の出現など日常茶飯事なのだが、今回出動しているメンバーがメンバーなだけに、気になって出動してきたらしい。
普段現場に出ることは少ない開発部だが、『自分たちの開発した品を実際に使っている所を見たい』という、なんとも物好きな彼女はこうして直々に現場に来ることも珍しくない。
よく「自分の目で見てインスピレーションを高めるのが重要なんスよ!」と語っている。
何はともあれ強力な助っ人が増えたのは三人にとってありがたかった。
「管制室からの指揮にはまだ不慣れでな。やはり私はこうして実際に現場に出て指揮を促すのが、性にあっている」
「あ、それ分かるっスー!頭ん中だけで色々考えようとするのって意外と難しいんスよねー!」
「俺もうだうだ考えるより外で身体動かしてる方が好きだな!」
先程までとは一転して和やかな雰囲気に包まれる中、伝太が何か思い出したようにカッと目を見開いた。
「っておい!お前ら仲良く雑談している場合じゃねえだろっ!?」
「いやアンタも混ざってたでしょ…」
伝太が呆れ気味な蘭導をよそに慌てて指を指した方向を見ると、到着した二人に吹き飛ばされた亜空堕がいつの間にか立ち上がり走り出している所だった。
「チッ、しぶとい個体だ」
「壁を走れるのも厄介ッスね〜」
亜空堕は個体によって姿 形 性質 様々だが、今回の個体は中々にしぶとい生命力を持ち、更に片方は壁に張り付くことまで出来るらしい。
そこで蘭導も何か思い出したように、メタリムに問いかける。
「ていうかメタリム、あんたがさっき言ってた『お助けアイテム』ってのは?」
「あー、はいはい。そうだった。もー、蘭導ちゃんはせっかちッスねぇー」
メタリムは装甲車の後部座席からガチャガチャと何やら機械の入った箱を取り出し、それを展開した。
「これぞ『メタちゃん印』の位置情報共有単一式眼鏡(いちじょうほうきょうゆうモノクル)っス!」
「片眼鏡…?」
メタリムが箱から取り出したその機械は片眼に装着するタイプのウェアラブル端末のようだった。
「その片眼スマートグラスを通して景色を見ると、現在発生している亜空堕のいる方向に赤点が表示されるようになるッス!」
その場の四人がすぐさまそれを装着する。
片眼鏡をかけた四人が周りを見渡すと、先の亜空堕が走っていった方向に赤い点が二つ、微妙に上下に揺れているのを確認する。
「ヤバ!建物とか遮蔽物の向こうに居てもちゃんと赤い点が表示されてんじゃん!ちょー便利!」
「今走ってった亜空堕とは別の方角にも点が一つ…ああ、これが三体目の位置か」
「おおっ!なんかかっけえ!」
と、各々が感嘆の声をあげるが、疑問も浮かぶ。
「でもこんな正確な位置どうやって…」
蘭導に対して、メタリムはよくぞ聞いてくれましたと得意げに鼻を鳴らし説明を始めた。
「亜空堕の移動速度と接敵している隊員の端末GPSの動き及び向いている方角を使って割り出した亜空堕の位置がそれっス。別行動してる立華さんがリアルタイムで計算してデータを送ってくれてるッス」
「人力なんだ…」
「器用な奴だな、あいつも」
その機械について一通り理解した伝太、蘭導、林檎青の三人が装甲車に乗り込みメタリムがエンジンをかけ直す。天騎も双角の白馬に跨ると、五人は再度亜空堕を追う為に走り出した。
するとそのタイミングで、携帯端末から音声通信が入った。
【うい、皆聞こえてる?さっきぶりの人もいるか。】
音声通信の主は、今まさに話題に上がった立華だ。
【その眼鏡貰った人は大体説明受けただろうけど、アタシからちょっとだけ補足。】
【まず、計算で出せるのはあくまで予測だから実際は正確じゃないってこと。】
【あと絶賛アタシも戦闘中だから計算にタイムラグが生じる可能性があるってこと。この二つだけ注意ね】
「あ、あとこれあくまで試験版なんで作戦終了後に感想とかフィードバック欲しいっスー!」
立華が補足を言い終えた所でメタリムが割り込んで付け足す。
【はぁ、ていうかメタリムも人使い荒すぎ。さっき作ったばっかりの新製品の実験の為に、戦闘しながらプログラム組んでとか…。マルチタスクは苦手じゃないけど、ほんと感謝しなさいよ…】
どうやら良いように使われたらしい立華が愚痴をこぼしていた。
この機械を取り急ぎで完成させたというメタリムと、戦闘しつつリアルタイムで亜空堕の位置を計算するという立華。かなり突拍子も無いことを平然とやっている二人に対し、伝太が苦笑いを浮かべている。
「うわぁ…さすがオタク共…。相変わらず色々やべーな…もはや気持ちわりーな…」
「どもッス!」
【いやメタリム…それ褒められてないから…ふんっ!】
「おわぁ!?」
急に装甲車の後部座席に座っていた伝太がビクリと飛び跳ねた。
「む。どうしたというのだ伝太。急にデカい声を出して」
装甲車のすぐ横を腕組みの姿勢で騎乗し、愛馬を走らせていた天騎が何事かと伝太に問う。
「いや今一瞬俺の画面がフラッシュしてブラクラみたいになったんだよ!おいモサモサオタク!てめえだろ、今の!」
【さあ?エロサイトばっか見てるから変なウイルスにでも感染したんじゃないのー?】
彼女はしらばっくれているが、どうやら伝太は眼鏡にイタズラを仕掛けられたようだ。
「今貰ったこの機械と俺が普段エロサイト見てる事と何が関係あんだよ!」
【へー、見てるってとこは否定しないんだ。笑】
「み、見てねーし!」
【ふーん。でもアンタの持ってる端末全部ハッキングして検索履歴見たけど、上から下までエロサイトの名前で埋まってるわねぇ。】
「んがっ…!?おいっ!皆聞いてる通信で思いっきり俺のプライバシーを侵害する様なこと言ってんじゃねぇっ!?」
凄い勢いで怒る伝太だったが、ふと冷静になって顎に手を当て、首を傾げる。
「ん?てか待てよ…?なんでお前全部エロサイトの名前だって分かるんだ?妙に詳しいな…」
【違っ…!?別に詳しくなんかっ…!】
「ははーん。なるほどなー!そうかそうか!」
【な、なに勝手に理解してんのよ!】
「いやいや何でもねーよ?モッサリオタクむっつりスケベ女。略してモッつり女」
気づけば伝太と立華の形勢が逆転していた。
そして煽られた立華は少しの沈黙の後、
【…死ね。】
「って、ギャーっ!目が!目がぁぁぁぁぁ!てめぇぇぇぇええええ!?!?」
隣に座っていた林檎青でも分かるほど伝太の片眼鏡をピカピカさせていた。
「もーうるさいなー。二人ともそろそろ痴話喧嘩やめろし!」
「痴話喧嘩じゃねえよ!」
【痴話喧嘩じゃない!】
そんなコメディチックなやり取りが繰り広げられていると、装甲車はいつの間にか二体の亜空堕の後ろの所まで来ていた。
「そんなことよりだっ!これからどうすんだよ!」
伝太は半ば話を逸らすように車窓から身を乗り出し現作戦指揮である天騎に叫ぶ。
確かにそろそろだな…と呟いた天騎は端末を取り出し、何やら通信で合図を送った後、三人に対し言った。
「この先のT字路で亜空堕を分断し、そこからは二手に別れて対処する事になる」
「二手に別れるって言っても現状五人しか居ないし、別れるほどの人手は…」
「ああ、それなら大丈夫だ。この先で一度、別働隊に正面から迎撃(むかいう)って貰う手筈になっている」
そう言った天騎に伝太が怪訝そうな眼差しを向ける。
「別働隊って…本当に大丈夫なんだろうな?一体相手でも俺ら五人でやっとだったってのに…」
すると伝太のその問いかけに対し、横を走る天騎がニヤリと笑って言った。
「この先に居るのは『アイツ』らだ」
その発言に対し、装甲車に乗る三人は妙に納得した顔になる。
「ああ…なるほど」
「ま、まあ実際『アイツ』自身はまだ現場に間に合ってないみたいなんだが…とにかく信用しても問題ないだろう」
少しすると装甲車は遠方に例のT字路が見える位置に着いた。
天騎がメタリムに指示を下すと、装甲車に付いたロケットブースターが唸りを上げ、さらに加速する。
「一度二体を分断する為にこの車で間に割り込むっス!舌噛まないようにしっかり掴まって下さいっス!」
「うおおおおぉ!?ロケットブースターってめちゃくちゃだなこの車!?」
「今だけ法定速度は守らないっスよーっ!ファイヤー!」
地面から火花を散らしながらそのままドリフトで二体の亜空堕の間に割り込んだ。
バゴンッ!
装甲車の側面に亜空堕が激突し、座席に座る四人は激しい衝撃を受ける。
「ぐおわあああ!?」
「くっ…!」
「ちょ、ヤバすぎなんですけどっ!?!」
「いやっほおおおう!」
何故か楽しそうなメタリムを除き阿鼻叫喚な車内だったが、亜空堕は予定通り、一体がそのまま真っ直ぐ走り去り、側面に激突したもう一体は引き返して行き何とか分断には成功したようだった。
「分断成功っス!!」
「成功はいいんだけどよ!あのぶち当たった方の亜空堕は引き返して横の道に逸れて行っちまうぞ!?本当にあの先に別働隊がいるんだろうな!?」
「ああ、勿論。なんなら…」
そして、亜空堕が曲がり角を曲がった瞬間、
「そこで終わるかもしれないぞ?」
夜の街に轟音が鳴り響いた。
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【痴話喧嘩じゃない!】
【痴話喧嘩じゃねーよ!】
「ははは。仲良いなホントに」
ここは廃ビルの屋上。肩膝立ちの状態でライフルを構えるカーキ色の短髪で眼鏡をかけた少年は端末から聴こえてくる伝太と立華の騒がしいやり取りに苦笑いを浮かべていた。
少年は端末に随時追記されていく、標的の情報をもう一度流し見る。
「対象は時空力感知に長けていて、最低でも致命傷は避ける、と」
少年は騒がしい端末の音声を切ると、それを腰に装着された収納具に仕舞う。
「あの時、『アイツ』が襲われた奴と一緒だな…」
そう呟きスコープを覗く瞳はどこか憂いを帯びており、それを振り払うかのように少年の引き金にかけた指の力が少し強まった。
あいにくメタリムとすれ違うことも無かった為、片眼鏡(モノクル)を受け取れていない。
だから少年は、遠方の曲がり角の先、こちらからでは見えない光景を脳内で再現する。
「対象がいる位置は…もうちょい右か…?突き当たりは回り込んだ装甲車で封鎖されるはず。ならば、そうだな…そこから進路をこちらの道へ変更してくる場合…」
「…そのコーナーを最速で曲がるよな」
正面の道を装甲車に塞がれてしまい引き返した亜空堕が、少年の視界のずっと先の曲がり角、道の脇に設置されたガードレールを体当たりで吹き飛ばし、急カーブをした。
その瞬間、
『ガオォォォォォオオン!!!』
閑静な夜の街にライフルから発された轟音が木霊する。
銃声が響いた頃にはもう、亜空堕の鼻先と呼べるのかどうか分からないが、頭部の先端部分が撃ち抜かれ、肉がちぎり飛んでいた。
その少年は逃げ込もうと進路を変えた亜空堕が、どの位置とタイミングで飛び出すかの予測を立て、曲がり角から頭部が見えるか見えないかのギリギリの位置に弾丸を放ったのだ。
流石の時空力感知に長けた亜空堕とは言えど避ける暇もなく、弾丸は頭部を撃ち抜いていた。
「ぎぎぎャァァァァァアアアア!?!?」
横転してバタつく漆黒の怪物だったが、それでもまだ立ち上がり走り出したのを少年は確認し、やれやれと肩を竦める。
「うーん。あんまり手応えがないな。感知能力の高さにプラスしてタフさもあるのか…いや、頭部を損傷させた程度では消滅しないだけ?やっぱりあの肉厚の身体のどっかに急所があるんだろうな…」
仕留め損ねた事を報告する為に、端末のスイッチを入れると丁度そこから先程騒がしかった少年の声が響く。
【『葉世(ハセ)』!その亜空堕、ビルの壁登ってくんぞ!気をつけろ!】
一本道になっている道路を駆け抜けてくる亜空堕は突き当たりにあるこのビルまで到達すると、壁面を猛スピードでよじ登ってきた。
「オーケー」
亜空堕は壁をよじ登った後、飛び上がって屋上に着地すると、通信で『葉世(ハセ)』と呼ばれていた眼鏡の少年に向かって猛進する。
少年が手に持ったライフルを空に投げると、ライフルは霧のように消滅し、新たに少年の手には二丁の拳銃が姿を現した。
「ラピッド1(ワン)!ラピッド2(ツー)!」
少年は出てきた二丁拳銃を亜空堕に向かって連射する。
それでも止まらない亜空堕が今まさに少年に襲いかかろうという所で、少年はまた同じように二丁拳銃を投げ捨てると、次の瞬間その手には銃火器の類ではない『短剣』が握られていた。
「反時空力崩壊短剣『ジャックアイ』」
少年は亜空堕を正面から受け止めるとその顎先に短剣を突き刺し、自身の身体を後ろに倒し漆黒の身体を足で蹴りあげると、巴投げの要領で自分の何倍もある怪物を後方へと投げ飛ばした。
突進の勢いを保ったまま投げ飛ばされた亜空堕は屋上から放り出され、ビルの裏側へと落下していく。
「悪い!流石に屋上(ここ)で抑えんのは無理だった!『舵十(カジト)』!」
少年は落ちていく亜空堕の更に真下、ビルの裏の駐車場に向かって叫んだ。
「あいよ…了解だッ!
うるァァァアアアッ!!!」
亜空堕の落下地点、葉世より少し長身の銀髪の少年が雄叫びを上げながら怪物の身体に向かってその手に握った『何か』を叩きつけた。
バヂイイイイイイイイイン!!
「ぎャああああああああぁぁぁあああ!!!」
少年の『何か』に強く叩かれ発生した破裂音と本体自体が上げた悲鳴が混ざり合った爆音が辺りに響き渡る。
銀髪の少年『舵十(カジト)』がその手に握るのは柄の付いた巨大な『鉄の板』
そのシルエットは剣や刀と呼ぶには些か無骨であり、用途としても『斬る』というより『叩く』と言った方が正解であろう代物だ。
少年が殴り飛ばした亜空堕は駐車場の隅までゴロゴロと転がっていく。
「硬ぇというより手応えがねえって感じだな。攻撃性が高すぎないのが唯一の救いだが…」
少しの間地に伏せていた亜空堕だったが全身を痙攣させつつもまだ立ち上がろうとしていた。
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「凄い音がしたけど仕留めた…!?」
ことが起きている駐車場からかなり離れた位置、装甲車の中から爆音を聞いた、蘭導(ランドウ)が驚きの声を上げる。
「ううん。まだだよっ!」
すると装甲車の外から新たなる声と共に、建物の屋根を飛び移りながら宙を駆ける影が見えた。
「はろー!お姉ちゃん」
「『ヰ助(イスケ)』!?」
蘭導を『お姉ちゃん』と呼ぶ少女は、ピンクと黄緑色の派手な長髪をなびかせて上空を通り過ぎていく。
彼女は蘭導の二つ下の妹であり、『ヰ助(イスケ)』という女にしては珍しい名前をした少女だ。
「アンタもアイツらの部隊の一員でしょ…!?なんでまだこんな所に…!?」
「いやぁ、ほら。ギリギリまで探してたからさぁ、遅れちゃったと言うか…結局何処にいるのか分からなかったんだけど…」
「探してたって…」
すると横から伝太が脇腹を肘でつついてきた。
「どうせ『アイツ』を探してたんだろ。今日非番だし遅くまでどっかふらついてたに違いない」
「…ったく。『アイツ』含め、なんなんだあの部隊は…」
蘭導たちと別れた後、『ヰ助』はその軽快なフットワークで瞬く間にビルの間を駆け抜け亜空堕のいる駐車場へと辿り着いた。
「お、やっと着いたようですね」
「あはは…。結局『あの人』は見つからなかったみたいだね…」
辿り着いた駐車場には『葉世』『舵十』の他に二人の少年少女が集合していた。
一人は軍帽子を目深に被る低身長の中性的な少年、『カシル』。
そしてもう一人は優しい、というよりオドオドした雰囲気の茶色いツインテールを揺らす少女『アルシス』だ。
「これでまあ、一旦は全員集合という事で…」
葉世が全員の顔を一瞥し、話を切り出した。
「全員集合でいいのかなぁ…?」
「まあ仕方がないでしょう。彼無しでも始めましょう」
困った様な微笑みを浮かべるアルシスに対してカシルもやれやれと首を振って言った。
「ごめんね。あたしなら見つけられると思ったのに…」
「別にてめえが気に病む事じゃねえよ。どうせあのバカは今頃急いでこっちに向かってるに違いねぇ」
しゅんとした表情で俯くヰ助に舵十が労いの言葉をかける。
五人が一同に溜め息混じりの苦笑をした所で、眼鏡の少年葉世が端末の音声通信の電源を入れた。
【これより、
『カジト・ケサガヤ』
『イスケ・ツグマル』
『カシル・ジャッジウィリー』
『アルシス・シュート』
『ハセ・カツギバヤ』
以上五名が当作戦行動に加わる。】
【こっちの亜空堕は俺たち『亜空対策機関第一支部特務部隊』に任せてくれ!】
そして少年は音声通信を切ると、フッと笑いをこぼし呟いた。
「さあ、役者は揃った。そろそろ出番だぜ『ヒーロー』」
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